2025年8月14日、北海道・羅臼岳で登山者が野生グマに襲われ死亡する事故が発生しました。9月1日、知床財団が調査の続報を発表し、事故の約2週間前に「ヒグマへの餌付けが疑われる事案」があったことが判明。この記事では、事故の経緯と羅臼で深刻化するヒグマ問題について詳しく解説します。
羅臼岳で発生した野生グマ襲撃事故の概要
- 発生日:2025年8月14日
- 場所:北海道・羅臼岳
- 概要:登山中の男性が野生グマに襲われ死亡
- 状況:友人と登山中、事故時は約200m離れた場所を1人で下山中
事故直後、友人は現場近くのオホーツク展望で救助を待っていた際、登山道を下ってくる1頭のヒグマを目撃。この個体が加害個体と同一である可能性が高いと、知床財団は分析しています。
事故前に浮上した“餌付け疑惑”
今回の事故と直接的な関連はまだ不明ですが、羅臼岳の岩尾別地区では、事故の約2週間前にあたる7月29日、ヒグマへの餌付けが疑われる事案が発生していたことが報告書で明らかになりました。
被害者を襲ったとされるヒグマは、この岩尾別地区周辺を中心に活動しており、2025年5月以降も頻繁に目撃情報が寄せられていました。餌付け行為は野生グマの行動パターンを変化させ、人間への接近や襲撃リスクを高める危険性があります。
野生グマと共存するための課題と対策
餌付け禁止と法的規制
北海道や環境省は、観光客や住民による野生グマへの餌付けを厳しく禁止しています。2022年には「知床ヒグマ保護管理条例」が強化され、違反者には罰則が科されるケースもあります。
観光客・登山者が守るべきルール
- 野生グマへの餌付け行為を絶対にしない
- 登山時は必ず熊鈴やスプレーを携帯する
- 単独行動を避け、複数人で行動する
- ゴミや食べ物は必ず持ち帰る
まとめ:羅臼の自然と野生グマ保護の両立へ
今回の羅臼岳での死亡事故をきっかけに、野生グマと人間の関係を見直す必要性が改めて浮き彫りになりました。餌付けは一時的な観光目的で行われがちですが、結果的にヒグマを危険に晒し、人間の安全も脅かします。
知床財団や自治体は今後も調査と対策を進める方針であり、登山者や観光客も含めて「自然と共存する意識」が重要です。
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